#ニイハマvol.8
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演出家とともに創る鴻上尚史「市長、よくお越しいただきました」という鴻上氏の挨拶から和やかな雰囲気で始まった対談。同じ地元で幼少期を過ごしていたことが分かり話がはずむ。鴻上喜光地商店街で小学2年生まで暮らしていました。商店街の夜市とか、懐かしいですね。古川実は私も小学6年生まで喜光地商店街に住んでいました。その後は神奈川に転校して、社会人になってから新居浜に戻ってきたんです。鴻上社会人になって戻ってきた理由は?古川鴻上さんがお話しされたとおり、商店街が賑やかな時代に幼少期を過ごしました。夏の土曜夜市も人がたくさんいましたよね。けれど、たまに新居浜に帰ってくると街がどんどん衰退していくのを感じて、その作家・演出家古川鴻上さんは、これまでも新居浜市内でワークショップを開催するなど、地元にタネを蒔いてくれていますよね。今は芸術文化の拠点として『あかがねミュージアム』がありますから、そこを中心に『人の交流が活発になっていってくれたらいいな』と思っています。鴻上私も年に数回は新居浜に帰りますけど、先ほど古川市長が言われたように『シャッター街になっていく地元』は寂しいじゃないですか。だから『人と人が繋がっていく拠点になる』と、新居浜市で子育てをするメリットみたいなものが大きくなっていくと思うんです。古川あかがねミュージアムには、今も子ども連れで多くの人が訪れてくれていて、普通の美術館とは違うと思うんです。私はそれが『いいなぁ』と思っています。鴻上いいと思います。劇場もあるし、美術館もあるっていうのは、一つの施設で何度も美味しいですよね。2025年9月21日東京都新宿区にて対談した演出家・鴻上尚史氏と新居浜市・古川市長。18        (こうかみ しょうじ) 作家・演出家新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。1981年に劇団「第三舞台」を結成、以降、多数作品を手がけ、現在はプロデュースユニット「KOKAMI@network」を中心に多岐に渡り作・演出を行っている。これまで紀伊國屋演劇賞、岸田國士戯曲賞、読売文学賞など受賞。舞台公演の他、エッセイスト、小説家、テレビ番組司会、ラジオ・パーソナリティ、映画監督など幅広く活動。

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