市民インタビュー
キリマンジャロへの挑戦は「生きる喜び」
キリマンジャロに80歳で挑戦 永田 光春(ながた みつはる/新居浜市)さん
9月25日、アフリカ最高峰「キリマンジャロ」に2回目の登頂を果たした永田光春さん。1回目の登頂は2022年6月。知人の誘いを受け「行ってみようか?」とスタートしたキリマンジャロへの挑戦も、今では「自身の健康維持と、生きる喜びのひとつ」となっている。何歳になっても、そして何度も挑戦し続ける永田さんにお話を聞いた。
10月4日に80歳の誕生日を迎えた永田光春さん。傘寿を記念して、アフリカの最高峰・キリマンジャロの2回目の登頂に挑戦。前回の登頂は2022年6月。2020年頃からトレーニングを積み、キリマンジャロ登頂が認められる『ギルマンズポイント』まで見事到着したものの、高山病になりかけて、200m先の最高到達地点『ウルフピーク』への登頂は断念。その時に「次はウルフピークを目指す」と誓い下山。今回はその目標を果たすための再チャレンジとなった。
永田さんの1日はトレーニングから始まる。毎日、山根グラウンドに向かい、118段の石段を何度も往復。高山病に耐えられる細く長い呼吸と足の動きを意識しながら、雨の日も風の日も毎日石段を往復した。また、大好きなお酒を控え、早寝早起きを徹底。その3つを生活に取り入れると、身体は驚くほど軽くなり、足腰は強くなっていった。
9月19日に新居浜を出発。日本を出国する前日に、東京で登山家・三浦雄一郎氏監修の『低酸素トレーニング施設』を利用。前回も訪れたこの施設で、教わった呼吸方法を2年間徹底的に続けた永田さんは、トレーニングスタッフから合格点をもらい自信を持って出国。エチオピア経由でタンザニアのキリマンジャロのふもとへ。最高地点・5,895mへのリベンジがスタートした。
赤道直下、灼熱のアフリカの大地からスタートして4日。景色は一変して氷点下の世界。防寒服を着込んでも、震える身体と、かじかむ手。凄まじい気温差に体調を崩す登山家も少なくない。
そんな中「ただ前に進みたい」という強い意志と、練習した呼吸法に集中して、前回到達したギルマンズポイントに予定より3時間早く到達。そこから1時間半、氷の中をひたすらに一歩一歩着実に歩み、念願のキリマンジャロ最高地点、5,895mの『ウルフピーク』の登頂に成功した。登頂日は80歳を目前にした9月25日。1回目の登頂後に「次は一緒に行こう」と約束したものの、その年の10月に急逝した友人の遺影を山頂で掲げた。
チャレンジの醍醐味は『生きてるだけで大儲け』だという。「チャレンジし続けて、成功することで喜びを感じ、それは心の豊さにもなる。そして、周りの人のチャレンジも心から応援することができ、その成功は心から祝い喜べる」と永田さん。
次の目標を聞くと、なんと『90歳でキリマンジャロ挑戦』と返ってきた。これはギネスブックの記録を更新する。
「実現するかどうかは分からないが、その目標に向かって挑戦し続ける、それが生きる喜び」
70歳代で2回キリマンジャロに登った好々爺は笑顔を見せた。そして80歳になった今も、毎日山根グラウンドの石段でトレーニングを続けている。
写真左端が永田さん (キリマンジャロ・ウルフピークポイント)
フリーペーパーHoo-JA! 2024年12月7日号 掲載