裕司さん:
僕は静岡県出身で、職業は天文の学芸員です。
大阪府や福井県の博物館で働いてきましたが、転職を機に、福井から新居浜へ来ることになりました。
学芸員は全国のどこで募集があるかわからないのですが、新居浜市にある愛媛県総合科学博物館で求人があり、そこで採用されたため、妻とともに移住しました。
綾美さん:
私は栃木県の出身です。
看護師として働いた後に転職し、博物館のスタッフをしていました。
福井でプラネタリウムの仕事をしているときに現在の夫と出会い、結婚。
新居浜への移住にあたり退職し、今は専業主婦をしています。
綾美さん:
旅行が好きなのですが四国には行ったことがなかったので、「一体どんなところなんだろう?」と少しドキドキしていました。
裕司さん:
移住が決まってからは、『新居浜Life』をはじめ、インターネットで新居浜市の情報収集をしていました。
“市民の3分の1が県外出身者”というデータや、“風通しの良いまち”という評判を目にして、「本当に風通しが良いのかな?!」と思っていました(笑)。
僕はそれ以前も仕事に伴って転居をしてきたので、不安よりも、未知の場所に行くワクワク感のほうが大きかったですね。
綾美さん:
とにかく野菜が安いことに驚きました!
スーパーの数も多くて、そのほとんどに産直コーナーがあるので、出来るだけそこで買うようにしています。
安いだけでなく新鮮で美味しくて、毎日の料理が楽しくなりました。
裕司さん:
僕は、新居浜の方々が “外の人” を全く意識していないことに拍子抜けしました。
これまで住んだ地方都市では、「どこから来たの?」「どこの人?」とよく聞かれていましたが、新居浜では聞かれたことがありません。
みなさん、優しくて親切な方ばかりです。
綾美さん:
新居浜は海と山が近く、自然を身近に感じられることも魅力です。
夫婦ともに地方出身者なので、やはり落ち着きますね。
裕司さん:
僕は工場夜景が好きなので、新居浜の工場群も気に入りました。
夫婦共通の趣味のひとつが写真を撮ることなので、国領川(こくりょうがわ)の河川敷に妻と行き、散歩しながら夕景や夜景を撮影して楽しんでいます。それから、自転車道が整備されているのも気に入っています。
新居浜に来て数カ月は自転車が移動手段でしたが、どこへ行くにも走りやすい。
夫婦でサイクリングも楽しんでいます。
裕司さん:
自然を身近に感じながら快適に暮らせることです。
新居浜はコンパクトで、とても住みやすいと思います。
綾美さん:
新鮮な野菜を食べる機会が増えたことです。
移住を機に専業主婦になり自炊が多くなりましたが、野菜が安いので助かります。
地魚も豊富なので、これからもっと料理に挑戦したいです。
裕司さん:
溶け込もうと努力しなくても普通に暮らせるのが、新居浜のすごいところかもしれません。
強いて言うなら、これから地域のイベントに積極的に参加していきたいと思っています。
僕は新居浜に来てから地元産の柑橘を使ってジャムを作っているので、そういった手作り食品をおすそ分けしながら地域の方とコミュニケーションをとってみようかな、とも考えています。
綾美さん:
新居浜へ引っ越した直後にコロナでステイホームの時期になってしまい、専業主婦の私は、まだ地元の方との接触がほぼゼロなのですが…(笑)。
私も、行きたい場所やイベントが色々あるので、早く行ってみたいです!
マイントピア別子に行きたいし、まち歩きしながら写真を撮る「ニイハマ写真部」にも参加したい。
新居浜には素敵なカフェや面白そうなイベントが沢山あるので、好きなお店や場が見つかれば、そこで気の合う人に出会える気がします。
綾美さん:
新居浜は、ゆっくり、のんびりと暮らせるまちです。
地方都市の中では、まち全体のセンスが良く、新しいことや刺激が多いと感じます。
市の取り組みやPRの仕方も、自由で開放的な印象。
市役所も雰囲気が明るく、対応が早いことに驚きました!
裕司さん:
新居浜は気候もとても良く、僕が今まで暮らした地域の中でいちばんです。
晴れの日が多いので、朝起きて窓を開けるだけで、前向きな気持ちで1日をスタートできますよ。
豊かな自然に抱かれてマイペースに生活でき、自分の感度が上がるのを感じます。
それを刺激するモノ・コトが豊富にある新居浜は、 “感性が磨かれるまち” だと思います!
ルーカスさん:
妻とはオハイオ大学で出会い、当時からふたりとも日本に住みたいと思っていました。卒業後に結婚し、オハイオ州シンシナティで短期間のアルバイトをしていましたが、やはり日本に行きたくて。
セレストさん:
日本はアメリカと比べて歴史が古く、神社や寺が至る所にあり、神秘的に感じます。山が美しいのも、とても魅力的。2016年の夏に一度、京都と広島に旅行に行き、日本に住んでみたいという思いが強くなりました。
ルーカスさん:
まずはアメリカで日本の仕事を探そうと思ったところ、妻が先に、香川県に本社がある英会話スクールの仕事を見つけました。とにかく日本に行きたいと、2017年に夫婦で来日。香川県で1週間ほど研修を受けた後、勤務先が新居浜教室に決まり、移住しました。
現在はそのスクールで、妻は大人対象の英語教師、僕はパートタイムでビジネス英語のインストラクターをしています。
セレストさん:
ありませんでしたね。日本人は親切で、優しくて、礼儀正しいと知っていましたから! 少しだけ不安だったのは日本語での会話ですが、夫が堪能なのでフォローしてくれています。
ルーカスさん:
新居浜に住むと決まって、Googleマップで見てみたときは、お店はあまり無いのかな?と思いました(笑)。そして新居浜に来て、タクシーの運転手さんに「新居浜はどんなまちですか?」と聞いたときも、「田舎やねぇ」と言われて。
でも、実際はカッコいい場所、素敵な場所がたくさんあります!新居浜太鼓祭りも素晴らしい。
セレストさん:
私たちにまだ赤ちゃんはいませんが、新居浜はどこに行っても病院、役場、公園があって、子どもが安全に暮らせるイメージ。家族で新生活を始めるのに良いまちだと感じます。
ルーカスさん:
日本の都会は人が多すぎて少し苦手なのですが、新居浜は中くらいの都市のイメージ。地元の人は田舎と言うけれど、カフェやレストランが充実しているし、飲み屋街もあってナイトライフも楽しめる。自然に抱かれて行うアクティビティも豊富で、退屈することがない。新しい楽しみ、友達、生活と出会える、ポテンシャルを感じるまちです。
セレストさん:
新居浜はとても快適。アメリカにいた頃は、たくさん働いても見合った給料がもらえなかったけれど、こちらに来てからは効率的に仕事ができています。日常的に散歩やハイキングに行き、自然を楽しむ余暇が十分に持てることも満足しています。
ルーカスさん:
新しい友達がたくさんできたこと。新居浜に来てからすぐ、友達が大勢できました。ここは外国人が多くないので、外国人同士の結束が強くて。一人と友達になると、その人の友達みんなと仲良くなれます。アメリカ、インド、イギリス、オーストラリア、フィリピン…。あっという間に交流が広がりました。
セレストさん:
家に閉じこもっていないで、とにかく外に出ることですね。大きなまちと比べると外国語を話す人が少ないので、最初は不安かもしれませんが、自分から挑戦していかなくては何も始まりません。
ルーカスさん:
その通り。まずは、外国人を見かけたら必ず挨拶して、どんどん友達になっていくこと。 親切に話しかけてくれる市民の方も多いです。外国人に興味を持ってくれる方とは仲良くなれることが多いので、出会ったその晩に飲みに誘っています!
ルーカスさん:
新居浜は外国人観光客が多くないので、外を歩いていても、観光客ではなく「市民」として見てもらえます。これは想定外のメリットでした。店員さんなど、まちの人もみんな優しいですよ。
セレストさん:
新居浜は子どもを中心にした、とても住みやすい場所だと感じます。自然も豊かで、身近にいろいろな楽しみがある。
私たちは今や、外国にいることを忘れてしまうほどなんです。ずっと日本にいられるなら、ここに住み続けたい。
私は神戸で生まれ、転勤で中学生から東京へ、その後22歳から20年ほど俳優業をしていました。東京で出会った妻が新居浜出身で、年末年始や仕事の移動途中に新居浜へ立ち寄っては「いいところだな」と思っていたんです。自分は都会育ちだったので、新居浜の空の広さ、景色の良さ、自然の近さに魅力を感じていました。
移住のきっかけは妻の両親が高齢になり助けが必要になったことです。2人いる姉に実家のことを任せて新居浜に住むことを自然に思いました。
2008年ころから移住を検討し、妻の実家の近くに家を建てる前提で準備を始めました。義父が所有していた果樹園の跡地に建設が決まると、打合せのたびに頻繁に新居浜を訪れましたね。家を建てている最中は施主として近くで見ていたかったので、一時市内で仮住まいの貸家を探し、新居の地鎮祭を行ったあとで正式に移住しました。
ほとんど何もありませんでしたね。私は中学生で上京して早々に神戸を離れていましたし、20代前半からずっと東京暮らしで芸能活動をしていたので、仕事で全国いろいろな場所に行っても現地で人と仲良くできていましたので、どのようなところでも順応していけるだろうと思っていました。
現在の仕事のひとつであるテニスコーチも、幼少期より長くテニスをしていたことが2011年夏、新居浜にインドアテニスコートがオープンしたそのタイミングもよかったと思います。今のメインの仕事である語り舞台公演スケジュールに合わせて、テニスクラブ側の理解を得られ両立できています。
昔の長屋の生活のような、古き良き「濃い」人間関係があるなと思います。新居浜で建てた家は「人が気軽に立ち寄ってもらえる家にしよう」と夫婦で決めていたので、本当にほとんど毎日、知人や友人が立ち寄ってくれたり、畑でできた物を持ってきてくれたり、留守にしていても玄関先に獲れたての野菜が届いていたり。かつて東京のど真ん中に住んで、妻がオーガニックの人参1本を買うのにひと苦労していた生活から考えると、夢のようです。ここではお金で買えないものがたくさんあると強く感じます。
利便性に関しても特にストレスを感じることはありませんでした。ネット社会になってきたことも大きいですね。
都会ではモノや情報があふれる消費社会中心ですが、新居浜では、自分の欲求をワンクッション置いて見つめ直すことができるんです。自分が本当に必要なもの、本当にしたいこと、充実した日常生活を求めることがよくわかるようになりました。シンプルで質素なライフスタイルに変わってきたこともあり、何も不便は感じず、むしろ幸せを感じます。
自然環境も素晴らしいです。高い建物がほとんどなくて空が広く、家の窓から山が見え、山からは穏やかな海が望める。小鳥は庭に来てくれてさえずってくれますし、新鮮で安全な食材の豊富さも信じられないほどです。
私はテニスを始め色々とスポーツも嗜みますが、施設の使用料の安さと家からの近さにも驚きました。東京でときどき利用していたインドアテニスコートは1時間16,000円でしたが、新居浜ではほぼ同じ設備で2000円なんですよ!
ゴルフ場も近くて早朝に起きなくてもどこでも30分ほどで行けてしまいますので、都会から遊びに来た友人たちは皆さん羨ましいようです。
私たち夫婦はお互いに東京、しかも都心での暮らしが長く、周囲の友人たちは皆「長い東京暮らしのふたりが四国に行って、一体どんな生活をしているんだろう?」と興味を持って、移住後は大勢遊びに来てくれました。この5年間で、延べ200人は家に泊まりに来ましたね。今夜もサンフランシスコから友人の7回目の来訪があります。。
移住したことで友人関係も良い意味で本当に親しい関係に発展していると思います。二カ月に一度上京しても変わりなく友人が会いに来てくれます。
心がけていたのは、ご近所での挨拶をよくすること。顔を見て、覚えて、だんだんと親しくなって。東京では治安上、地域の子どもや知らない人に挨拶したり顔を見たりということは無かったですから、真逆ですね。
あとは私の場合、妻の地元だったので、移住する前から新居浜のテニス、ゴルフ大会に出場して友達を作ったり(笑)。私はスポーツ、音楽などの趣味が多いので、そういうコミュニティに積極的に入ることで友人はすぐにできました。そんな中で自然と地元との繋がりが徐々にでき、交友関係が広がりましたね。
メリットは想像力が広がることです。都会にはとにかく大量の情報やモノ、コトの選択肢や人からのお誘いなど流されやすい状況が多々ありますが、新居浜では、自分が何をしたいのか考えていく余裕があり、すごくイマジネーションが必要な環境です。
また人間関係が密で、季節のものが食べられる生活は、自分が「人として生きる」とはどういうことかを再認識できると思います。東京には季節に関係なく、国内外のあらゆる場所の食べ物が集まりますよね。でも新居浜では「今、とれたものが食べられる」が食生活の中心。すなわち農耕民族である日本人の、本来的な暮らしをしていると感じます。
デメリットは……、思いつきませんね(笑)。
荷内(にない)町の海岸から見る瀬戸内海と大島、そこに沈む夕日が本当に美しいです。またそこの海沿いに「みんなのコーヒー」というお気に入りのカフェがあって、週に1度は夫婦で訪れています。
ここは子供が育てやすいところであり、人との関係が連綿と続く心地よいところだと思います。
そこで、自分と家族の幸福な未来をイメージしたときに、それは都会なのか、それ以外なのか、よく考えてみてください。もし、ぼんやりとでも都会でないなら、移住はぜひ選択肢に入れてほしいと思います。
それから私たちは移住に際して、行政のサポート等を全く調べなかったのですが、後になって、申請していれば受け取れた補助金があったことを知りました。今、移住者への配慮はいっそう手厚くなってきているはずですから、事前に十分な行政の情報収集をお勧めします。
誰もが車を持ち、情報のスピードが重視される今の時代は、距離よりも時間が重視されます。 新居浜市は市役所を基点したときに、車で15分圏内にあらゆるものがそろっています。
病床数が300床以上という総合病院は4つ、個人病院は100以上あります。公園も大小20以上あって、人口密度が低い分いつでもゆったりとした時間を一人ひとりが過ごせます。
そしてイオンモール新居浜があり、毎日の生活に必要なものは全てそろいます。それらが渋滞なく15分でいける距離にあることは、東京人にとっては贅沢な環境。
また、市外へ出かけるにも便利です。松山にも高松にも高知にも、1時間から1時間半で行ける。もちろん、行きも帰りも渋滞なしですから言うことなしです。
新居浜市は地震や台風などの災害が少ない地域です。それでも、備えにゴールはなく、絶えず対策を考えないとなりません。
その一つとして、あかがねミュージアム内にコミュニティFMが今春に開局。行政とともに地方創生を具体的な形にしたいと思い、私自身も関わりました。FM放送局は、情報発信の場として地域にとっても必要なものです。今後の展開に注目しています。
東京から来たので実感するのかもしれませんが、新居浜市は素晴らしくいい街です。ただ、新居浜に生まれそのまま住んでいる人にとっては、それは当たり前でその良さを見逃しているようです。これからは市民全体で街の良さを見なおし、誇りを持って外へ情報発信することが大切です。それを具現化する言葉として「NIIHAMA PRIDE」を提案しています。
地方でこれだけの充実感がある場所は貴重です。東京で仕事をリタイヤした人たちが移住してくるにはベストな場所だと、私自身が日々証明しています。
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