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市民インタビュー

民間の接客スキルを市民サービスへ生かす

新居浜市役所 市民課マイナンバーカード交付係 野口 由規子 曽我部 真弓 越智 久美さん

今年4月より、(株)アサヒビールコミュニケーションズの社員3名の出向を受け入れた新居浜市役所。配属先は市民課マイナンバーカード交付係。アサヒビール四国工場の見学案内で培ってきた高い接客スキルを市民サービスに活かす試みだ。「取得方法がよくわからない…」。そんな声も多いマイナンバーカードへのハードルを下げ、交付率向上に貢献している。

新居浜市役所市民課に新しい風が入った。今年4月から、アサヒビール四国工場の工場見学を請け負うアサヒビールコミュニケーションズから、社員3名の出向を受け入れ、住民へのマイナンバーカードの交付業務を担う「マイナンバーカード交付係」に配属。3名は市役所窓口だけでなく、企業や公民館など地域へ出向いて、カードの申請を受け付ける「出張一括申請受付」に主担当として携わっている。 まずは、3名が企業等に電話をかけ、出張申請の受入をアプローチ。申込に至った事業所へ後日出向いて、本人確認や顔写真撮影などカード申請の受付を行う。相手方とのやりとりで関係をつくって実現に至る流れは、営業に通じるものがある。いかにわかりやすくカードの必要性を伝えるかが重要となってくる。民間企業で接客経験を積んだ3名の出向は、行政事業に大きな変化をもたらしている。

国が2022年度末までにほとんどの国民の取得を目指しているマイナンバーカード。デジタル社会の基盤として新居浜市もその交付に力を入れ、交付率は約40%になった。急速な交付率アップに出張一括申請受付が大きく関わっている。平日は仕事で市役所に行けない会社員や移動手段の無い高齢者にとって、職場や近くの公民館で手続きができるのは大変便利である。手続きは早ければ一人5分で完了する。昼の休憩時間を利用して実施している企業もある。出来上がったマイナンバーカードは、後日自宅に郵送。一度も市役所に行くことなく受け取れるうれしいサービス。「最初はまったく違う業務に不安もあったが、お客様にいかにご満足いただくかなど工場見学業務と似ているところがたくさんある。市民の方には感謝の気持ちとおもてなしの心で対応したい」と野口さん。

ビール工場の見学担当といっても、ただ案内をしていただけではない。アサヒビールのファンづくりのために、来場者数や売上の数値目標達成、お客様満足の向上や業務改善を徹底し行ってきた。この気づき提案と気づき改善を、マイナンバーカード交付業務に取り入れている。 「数値をしっかりと押さえたスピード感ある柔軟な改善行動は民間ならでは。市職員もいい影響を受けている」と市民課課長の酒井さんも高く評価する。

さらに評価が高いのが接遇スキル。マイナンバー制度やマイナンバーカードについては「よくわからない」と言われることも多いが、「どんなお客様に対しても、口調がソフトで礼儀正しく、凛としている。ポイントを押さえた安心感のある説明はまさに接客のプロ」と酒井課長。逆に野口さんも「市職員の方の話し方も、親しみやすさがあり、勉強になっている」と、お互いが相乗効果を高めつつある。

申請方法がより便利になったマイナンバーカード。運転免許証やパスポートと同等の「顔写真付き公的身分証明書」として使え、これからは健康保険証としての利用も進む。また、行政サービスをはじめ社会のいろいろな場面で提示が求められるマイナンバーの証明と本人確認が1枚で済む唯一のカードでもある。「福祉サービスの手続きで利用することも多いですし、学生さんなど運転免許証を持たない方の身分証明書にもなりますのでぜひ」と野口さん。現在はリーガロイヤルホテル新居浜で行われているワクチンの集団接種会場(2回目接種時のみ)にも出張しているので、週末の申請も可能に。申請が便利な今のうちにマイナンバーカードを申請、取得しておこう。

マイナンバーカードについて問い合わせ 新居浜市市民環境部 市民課 0897-65-1232

フリーペーパーHoo-JA! 2021年8月28日号

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