市民インタビュー
まるで本物!?ミニチュア太鼓台の魅力
ミニチュア太鼓台倶楽部 新居浜支部長 松岡 大介さん
写真だけを見ると「本物!?」と見間違うほど、見る人を驚かせてくれるミニチュア太鼓台。倶楽部に所属するメンバーが趣味で作っているというから驚きだ。そんなミニチュア太鼓台に情熱を注ぐ人たちで作られたコミュニティ『ミニチュア太鼓台倶楽部』。このコミュニティも始まりは新居浜だけだったが、現在はだんじりの西条支部やちょうさ祭りの香川支部など瀬戸内沿岸各地に広がっている。
幼い頃から新居浜太鼓祭りが大好き。松岡さんはかき夫として参加することより、太鼓台を眺めることが一番の楽しみ。小学生の頃、新居浜市役所に小さな太鼓台が展示されており、いつかは作ってみたいと思っていた松岡さん。プラモデル作りが趣味で、手先は器用な方だった。そしてミニチュア太鼓台作りを始めたのは20年以上前、大学生の頃。初代のミニチュア太鼓台はパーツのひとつひとつが細かな実物の1/14サイズ。最初は太鼓台がどのような構造なのかを調べるところからはじまった。太鼓台の歴史を調べたり、太鼓祭りの期間中に据えている太鼓台を細部まで観察。見様見真似で作った。
現在の2代目太鼓台(写真)は初代よりひと回り大きな1/10サイズ。手削りのかき棒は本物と同じように軋む音が鳴り、何よりも一番のこだわりは飾り幕。パテを立体的に組み、細部まで本物に近いように色を塗り、迫力は実物の太鼓台さながら。飾り幕の龍の口の中にまで装飾を施し、その高度なクオリティと情熱は圧巻。さらに太鼓台と同じ1/10サイズの給水用軽トラックまである。こだわり抜いたミニチュア太鼓台の総重量はなんと約5kg。太鼓台に関する知識・アイデア・技術がふんだんに詰め込まれた、世界に一つだけの『自分の太鼓台』。ミニチュア太鼓台は制作者によって異なるこだわりや得意分野により、魅力がさまざま。2年前の喜光地商店街夜市でミニチュア太鼓台数台でお披露目やかきくらべも開催した。イベントなども通じ徐々にミニチュア太鼓台制作者の輪が広がった。
当初は小さなコミュニティからはじまったミニチュア太鼓台倶楽部も、結成して約5年。昨年からのステイホームに伴い、新居浜支部ではメンバーも増加中。現在のメンバー同士の交流は主にSNS。ミニチュア太鼓台倶楽部は制作技術を秘めるものではなく、情報や技術を交換する場として、制作者同士で交流をはかっている。メンバーの得意分野が異なる分、技術を教え合うなどして、自身のミニチュア太鼓台をより精巧に仕上げている。松岡さんはこのミニチュア太鼓台倶楽部というコミュニティを通して「自分たちが試行錯誤して作ってきた技術を、より多くの人に伝えていきたい」と話す。そして、「メンバーから本物の太鼓台作りの職人になりたいという人が出てきたら、もっと嬉しい」と語る。
松岡さんのミニチュア太鼓台は、全面新調を構想中。3代目の飾り幕は歴史に沿った物語を描いていく予定だそう。飾り幕1枚に、制作期間は半年〜1年ほどかかるというから、数年後の完成が今から楽しみ。そんな松岡さんをはじめミニチュア太鼓台メンバーの活動は、TwitterなどのSNSで『#ミニチュア太鼓台』をチェックしてみよう。そして来年こそ、例年の新居浜太鼓祭りが開催されることを願って、今年はSNS『ミニチュア太鼓台』で祭り気分を楽しもう。
この季節、「太鼓台を見たい!」と心が踊る新居浜市民。しかし、コロナ禍の中、例年のような祭りの開催は難しい。祭りをこよなく愛する新居浜っ子へ、少しでも祭りの気分を味わっていただこうと、ミニチュア太鼓台倶楽部の松岡さんにインタビュー。趣味の域を超えた精巧なミニチュア太鼓台、その全貌は。