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2018.11.29
別子銅山について
【別子銅山について】新居浜クロニクル vol.2
まちは産業ミュージアム
銅山の記憶は暮らしの中に溶け込んで、街角のそこここに残っている。
ふとした瞬間、歴史のひと幕に気づかされ、まちの奥行きを垣間見るようだ。
(写真/木村 孝)
新居浜市立別子銅山記念図書館
平成4年(1992)、別子開坑300年を記念して、住友グループ21社が新居浜市に寄贈した建物。銅板葺きの2つの楕円屋根が印象的で、屋根には緑青(ろくしょう)が吹いている。屋根内側の番傘(ばんがさ)のような天井は圧巻だ。100本の鋼材が放射状に掛け渡され、トップライトは開閉できる。
日暮別邸記念館
日暮別邸は、明治39年(1906)四阪島(しさかじま)に建設された木造2階建ての洋館。設計者は、大阪府立中之島図書館の設計で知られる野口孫市で、レンガの煙突や薄いピンクの板張りが印象的。「日暮」は島の地名で、四阪島製錬所の設計建設を行った技師・塩野門之助が、日の暮れるまでそこで構想を練ったことに由来する。戦前は住友家の別邸や接待館として利用。平成30年(2018)秋、日暮別邸記念館として星越(ほしごえ)山頂に移築された。
旧広瀬邸(国重要文化財・名勝)
広瀬宰平の旧邸宅で明治20年前後に整備された。和風建築に、ガラス、洋式トイレ、マントルピース、避雷針など、西洋の文化を多数採用。母屋2階の望煙楼から市街を一望できる。
旧端出場(はでば)水力発電所(登録有形文化財)
明治45年(1912)建設。当時、わが国最大級の出力を誇り、山麓の端出場から遠く四阪島製錬所まで、海底ケーブルで送電。現在、中には入れないが、赤レンガ造りの建屋は一見の価値あり。
工場群の夕景
国領川西の海沿いには、住友化学、住友金属鉱山、住友重機械工業など住友グループの工場や石油化学コンビナートが立ち並び、近未来的でスタイリッシュな美しさをみせている。夕暮れ時や闇夜に浮かびあがる姿は圧倒的だ。
旧山根製錬所煙突(登録有形文化財)
「えんとつ山」の名で親しまれているには、高さ20mほどの山根製錬所の煙突が残る。ここでは銅製錬のほか化学薬品の生産や製鉄試験も行われた。上の写真はえんとつ山頂上から見た風景。瀬戸内海に浮かぶ島々が見える。