市民インタビュー
Fリーガーの夢を追って、新居浜にやって来た
F2リーグ ミラクルスマイル新居浜 鉦打 秀幸 ( かねうち ひでゆき)さん
千葉県八千代市出身。小中学校時代はサッカー選手。市選抜に選ばれたこともある。が、高校進学後は陸上競技に転向した。
「思春期の頃って、楽しいことがいろいろあるじゃないですか。チームメイトもサッカーの練習に来なくなったりして…。で、個人競技にも興味があったので高校・大学では陸上に専念しました」
高校3年時に初めてのフルマラソンに挑戦。2時間41分で走り切り、大学時代は800mで全国大会にも出場した。
大学卒業後、東京消防庁に入庁。消防士としての仕事も慣れた頃、サッカー熱がよみがえり、消防士のサッカー大会に出場したりもした。しかし夜勤もあり、本気で取り組むには時間的にも難しい。そんな時、たまたま誘われた『フットサル』。
「1チーム5人集まればできるし、東京にはフットサル施設がたくさんある。やってみたら、のめり込んでしまった」
消防士の仕事を続けながら、フットサル東京3部リーグや同1部リーグのチームに在籍、ゲームに出るうちに、フットサルへの想いは自分の中でどんどん熱くなっていった。
「サッカーでは一時プロを目指した時期もある。年齢的にも最後のチャンス。一度きりの人生、チャレンジは今しかない!」
『Fリーグ』にチャレンジするため、複数チームの入団テストを受けたが、返ってくる答えは、セカンド(下部チーム)からのスタートばかり。そんな中、テストを受けたミラクルスマイル新居浜から、唯一トップチームの選手としてオファーがあった。
「これまでの自分の人生の中で、ケガや挫折もあったが『やっぱりスポーツが好きだ』と、再認識した」
そんな思いから、15年勤めた東京消防庁を退庁、Fリーガーとして新居浜に移住。
「6月10日、浜松での開幕戦はメディカルチェックがまだで、試合に出られませんでした。というか、消防庁での仕事もまだ残ってて…(笑)。これまで有給休暇を利用して、東京と新居浜を往復してましたが、6月30日付で正式に東京消防庁を退職しました」
6月24日に新居浜で開催された3戦目、ホームゲーム開幕戦で、初めてFリーグのピッチに立った。
「初のホームゲーム、600人以上の観客、そしてものすごい応援。そんな舞台に立てて本当に嬉しかった。子どもたちの声援もすごくて後押しされた。これまでホームで4試合してますが、対戦チームの選手や関係者から言われます。『新居浜の応援は、Fリーグ全部のチームの中でもトップクラスだ』、と」
サポーターの応援もあり、現在3勝4敗1分で全9チーム中6位(2023年9月1日現在)につけ、新参入ながら健闘する『ミラクルスマイル新居浜』。
「リーグの前半戦も終わり、まだ上位を狙える位置にいる。1部との入れ替え戦を目指し、応援に来てくれているみなさんに勝利を届けたい」
将来の夢を聞くと、
「年齢的にも選手としては、あと何年活躍できるかはわからない。でも将来は子どもたちに指導者として教えるなど、フットサルに関わっていたい。それが『新居浜』で実現できるよう、もっともっとこの街を好きになっていきたい」
まだまだ未来は漠然だ。しかし夢を追って新居浜にやってきた鉦打選手の『今』は、次のゲームの勝利、1部への昇格しか見えていない。F2リーグ2023の後半戦は、9月、10月のホームゲーム3連戦からスタートする。
フリーペーパーHoo-JA! 2023年9月9日号 Vol.457 掲載
今年、フットサルプロリーグ『Fリーグ ディビジョン2(F2リーグ)』に参入した『ミラクルスマイル新居浜』。ホームゲームが行われる新居浜市市民体育館には、毎試合たくさんの観客が来場、声援を送っている。「Fリーグでチャレンジしたい」そんな夢を実現するために、東京から移住してきた鉦打秀幸選手、37歳。夢を追って新居浜にやってきた『移住Fリーガー』の想いとは。