市民インタビュー
「焼き鳥ニンニク」で新章のスタート
新居浜市ご当地串グルメ選手権 グランプリ 銅夢キッチン 高橋 直也 たかはし なおや (新居浜市)さん 耕力農園 岡 寛 おか ひろし (新居浜市)さん
ニンニクの香ばしい香りに、しっかりとした歯ごたえの鶏肉を使った『焼き鳥ニンニク』。今年の春に誕生し、食べてくれた方達からの推薦もあり、11月3日に開催された『新居浜市ご当地。串グルメ選手権』に出場。見事グランプリに輝き、一気に注目が集まっている。
銅夢キッチンは2021年にオープンするも、オープンから1年半で責任者が入れ替わるなど、一時は存続すら危ぶまれた。そんな窮地の銅夢キッチンの立て直しを引き受け、支配人に就任したのが高橋さん。高橋さんは広島県出身。4年前、勤務する金融機関の転勤で新居浜に移り住んだ。そんな高橋支配人に「なぜ引き受けたのか?」と聞くと、「誰も引き受ける人がいなかったから」と笑う。家族や友人はもちろん、銅夢キッチンを運営する新居浜商店街連盟の会長にすら反対された。そんな周囲の反対を押し切って「なぜだか自分でもわからないけれど、誰もいないのなら、自分がやるしかないと思った」と、金融機関を退職し、27歳の若さで今年4月に支配人に就任した。
新居浜に4年間住んでみて、街自体がコンパクトで住みやすく、20分も車で走れば近隣の街に行くことができ、『便利な街』という印象だった新居浜。しかし、コンパクトだからこそ隣市の産直市にはすぐ行けてしまう。
「近隣の産直市と対等に戦うことは難しい」と考えていた高橋支配人。そんな時に出会ったのが耕力農園の岡社長。耕力農園は約10年前から堆肥作り出荷を研究。有機農業の技術講師も務める農園長を中心に、昨年から本格的に有機野菜の出荷を始めた。銅夢キッチンにもこれまで有機栽培商品の取り扱いはあったものの、来店客に響くほどの訴求はできていなかった。それなら「全面的にタイアップしよう」、そして『銅夢キッチンをオーガニック食材の聖地にしよう』を目標に、耕力農園との取引が始まった。
その耕力農園との初めてのコラボ商品が『焼き鳥ニンニク』。当初は別で栽培されたニンニクを使って販売していたが、耕力農園の有機栽培で作られたニンニクに変更。すると独特な臭みがなく「とにかく美味しい」と口コミで人気が広がった。そして『串グルメ選手権』でのグランプリ。一時は閑古鳥が鳴く銅夢キッチンだったが、少しづつ来客数は増え、焼き鳥ニンニクは、1日に300本以上販売される人気の商品となった。
次に出会ったのは、新居浜南高校の生徒たち。南高では3年間かけて、新居浜の食材を使った商品を作るという授業がある。ここ数年のコロナの影響で、販売の機会を失っていた頃、高橋支配人が就任。銅夢キッチンと南高のコラボで、地元産の果物を使用した『フルーツ大福』、『フルーツサンド』、『ブルーベリー蒸しパン』の販売協力も買って出た。
耕力農園とのコラボや、学生たちが商品化して銅夢キッチンで販売という、今までにない循環が生まれている銅夢キッチン。「これからも地元の農家さんと協力しながら、他にはない商品を販売したい」
高橋支配人のアイデアと、人との繋がりで生まれかわろうとしている銅夢キッチンに再注目!
フリーペーパーHoo-JA! 2023年12月9日号(vol.463) 掲載
11月3日開催された「新居浜市ご当地串グルメ選手権」でグランプリに輝いた銅夢キッチンの「焼き鳥ニンニク」。銅夢キッチンが地元の人に愛されるようにと商品化し、そこから人が集まり、見事グランプリ受賞。銅夢キッチンの高橋支配人に話を聞いた。