市民インタビュー
「健康マージャン」で、脳も心もフル稼働
健康マージャンにいはま 代表 加藤 幸三(かとう こうぞう / 新居浜市)さん
『健康マージャン』 聞いたことのある人もいるのでは。一般的な麻雀とは大きく異なり、健康づくりや仲間づくりを目的とした頭脳スポーツ。今では厚生労働省主催の「ねんりんピック」の正式種目になるなど、公的にも推進されている競技だ。「健康マージャンにいはま」代表の加藤さんに聞いた。
「健康マージャンは単なる娯楽ではない」
そう話すのは健康マージャンにいはま代表の加藤さん。『賭けない』『吸わない』『飲まない』ことはもちろん『礼に始まり礼に終わる』、まるで武道のような作法も備えた競技だ。
今や健康マージャンは全国的に広がっており、ひと足早く盛んになり始めたのが四国中央市。加藤さんも知人の紹介で四国中央市のイベントに参加し、健康マージャンの楽しさに魅了された。加藤さんもかつては一般的な麻雀が趣味で、よく友人たちと遊んでいたという。麻雀はタバコを吸いながら、お酒を飲みながらのイメージも少なからずあり、またルール違反(チョンボ)をする人などで悪いイメージを持つ人も少なくない。対して健康マージャンは、脳トレとコミュニケーションを目的として、手さばきなどの競技マナーも厳格に決められおり、年配の方でも楽しめる趣味のひとつとなっている。
脳トレとはいえど、お年寄りが集って競うだけではない。脳の活性化が目的で、子どもにも推進されており、マナーを学び、ルールを覚え、作戦を練って対戦する。論理的かつ柔軟な発想力が身に付く。親子3世代で楽しむ人もいて、小学生の子どもが勝つことも。
今年8月に、全国で展開する『NPO法人健康麻将(マージャン)全国会』の協力のもと、『健康マージャン指導員養成講座』をワクリエ新居浜で開催。参加者には女性も多く「興味はあったけれど、雀荘に入るのは敷居が高くて…」という人や、「介護従事者として仕事に活かしたい」と参加する人も。もちろん参加者はマージャン初心者ばかり。最初から牌を13個並べて『ルールブックとにらめっこ』というわけではない。初心者は、まず牌5つを相手にも見えるように並べて、アガリを目指す。周りの牌を見ながら作戦を練ったり、対戦相手の動きを見て「自分ならこうするな」と、考えながら競技を進める。そうしていると自然とルールも思考も身についてくる。そういった競技としての育成法が確立されていることも、健康マージャンの特徴のひとつ。
2025年8月にワクリエ新居浜で開催された「健康マージャン指導員養成講座」の様子
設立してまだまもない、健康マージャンにいはま。本格的な活動はこれからとなる。現在健康マージャンの活動ができる公民館などの公共施設を拡大中。健康マージャンは、脳を使い、仲間と笑い合い、そして世代を超えて交流できる場になりつつあり、2026年1月からは、新居浜市内で初心者講習も始まる予定。
ご年配、子どもたち、そして女性にも卓を囲む輪、そして楽しさを伝えるための『次の一手』を考えながら、加藤さんが本格的に動き出す。和了(アガリ)までの道のりは始まったばかりだ。
■問い合わせ 健康マージャンにいはま事務局 090-9450-2239 (白川)
フリーペーパーHoo-JA! 2025年11月29日号 Vol.510 掲載
