新居浜暮らしブログ
2019.01.07
ひと
この記事の「ええね!」
逆命利君
【OB】篠原 淳史
昨年末に訪ねた 旧広瀬邸。住友家 初代 総理事 広瀬宰平翁の邸宅です。https://www.sumitomo.gr.jp/history/related/hirose/
1836年 別子銅山勤務の叔父に従い 9歳にして銅山に登る。11歳から住友家に奉公、1865年に38歳で別子銅山の支配人に就任されています。
明治新政府による別子銅山接収の危機に際しては、「素人が銅山経営に当たることは国益に反する」と主張し、別子銅山を住友の手に守り抜いた、まさに「別子の申し子」。1877年には、住友家 初代 総理事に就任、別子銅山の近代化と繁栄をもたらした日本を代表する経営者のお一人です。
ここも、子どもの頃の遠足、特に桜の季節、お花見の定番でしたが、住友商事に入社して、広瀬宰平翁の偉大なる功績を知るにつけ、お膝元で遠足のお弁当をいただいていたことが、どこか誇らしかったですね!笑
因みに、この「新居浜暮らしブログ」のブロガーのお一人 広瀬香織さんは、宰平翁 六代目ご子孫の奥様!ご縁を感じます!
新居浜の街を一望できる旧広瀬邸「望煙樓」。
掛軸に認められた宰平翁の想いは、「望煙樓を子孫に遺し、鉱山と共に末永く存続すること、望煙して風致をただ愛るだけではなく、積年の鉱山の恩に報いる」というものでした。この強い想いが込められた風致こそが、新居浜の誇りある風致なのですね!
隣接する広瀬歴史記念館も見応えがありますので、是非! https://www.sumitomo.gr.jp/history/related/hirose/museum.html
最後に、「逆命利君、謂之忠」(命に逆らっても君を利す、之を忠と謂う)について。
真の忠義とは、上司や主君の命令、たとえ国家の命令であっても、それが主家のため、国家のためにならないのであれば、敢えて逆らうことあるべし、と言う宰平翁が終生の座右の銘とされた言葉です。
住友商事に入社した頃、逆命利君を実践し、同名小説にもなった「ムッシュ」と呼ばれた取締役がおられました。https://www.iwanami.co.jp/book/b256351.html
ある日、上司から「ムッシュのところに説明にいってこい!」と言われて、恐る恐る説明に! 当然のことながら、超緊張している若僧に、「まぁ、お菓子でもつまみなさい!」と笑顔で勧めてくださり、お言葉に甘えて つまんだものの、喉も通らなかったことを思い出します。
56歳の若さで逝かれたムッシュ。会話させていただいたのは、その一回限りでしたが、あの時のムッシュ、かっこよかったなぁ・・・・・。
逆らうかどうかは別として、相手への最大限のリスペクトは忘れずに、ただ信念を賭した相互の想いの遣り取りは、これからも大切にしていきたいと思っています!
逆命利君! 新居浜には、そんな気風が溢れています!!