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移住インタビュー

人としての生き方を、再認識できるまち

俳優、テニスコーチ 清水 善三さん

兵庫県出身。俳優、テニスコーチ。全国、海外で開催の舞台公演「日本神話語りプロジェクト」プロジェクトマネージャー。

  • 50代
  • 夫・嫁・孫ターン
  • 夫婦
  • まち暮らし
  • フリーランス

Q.移住の経緯を教えてください

私は神戸で生まれ、転勤で中学生から東京へ、その後22歳から20年ほど俳優業をしていました。東京で出会った妻が新居浜出身で、年末年始や仕事の移動途中に新居浜へ立ち寄っては「いいところだな」と思っていたんです。自分は都会育ちだったので、新居浜の空の広さ、景色の良さ、自然の近さに魅力を感じていました。
移住のきっかけは妻の両親が高齢になり助けが必要になったことです。2人いる姉に実家のことを任せて新居浜に住むことを自然に思いました。
2008年ころから移住を検討し、妻の実家の近くに家を建てる前提で準備を始めました。義父が所有していた果樹園の跡地に建設が決まると、打合せのたびに頻繁に新居浜を訪れましたね。家を建てている最中は施主として近くで見ていたかったので、一時市内で仮住まいの貸家を探し、新居の地鎮祭を行ったあとで正式に移住しました。

Q.不安はありませんでしたか?

ほとんど何もありませんでしたね。私は中学生で上京して早々に神戸を離れていましたし、20代前半からずっと東京暮らしで芸能活動をしていたので、仕事で全国いろいろな場所に行っても現地で人と仲良くできていましたので、どのようなところでも順応していけるだろうと思っていました。
現在の仕事のひとつであるテニスコーチも、幼少期より長くテニスをしていたことが2011年夏、新居浜にインドアテニスコートがオープンしたそのタイミングもよかったと思います。今のメインの仕事である語り舞台公演スケジュールに合わせて、テニスクラブ側の理解を得られ両立できています。

Q.移り住んでの感想、まちの印象、魅力

昔の長屋の生活のような、古き良き「濃い」人間関係があるなと思います。新居浜で建てた家は「人が気軽に立ち寄ってもらえる家にしよう」と夫婦で決めていたので、本当にほとんど毎日、知人や友人が立ち寄ってくれたり、畑でできた物を持ってきてくれたり、留守にしていても玄関先に獲れたての野菜が届いていたり。かつて東京のど真ん中に住んで、妻がオーガニックの人参1本を買うのにひと苦労していた生活から考えると、夢のようです。ここではお金で買えないものがたくさんあると強く感じます。
利便性に関しても特にストレスを感じることはありませんでした。ネット社会になってきたことも大きいですね。

都会ではモノや情報があふれる消費社会中心ですが、新居浜では、自分の欲求をワンクッション置いて見つめ直すことができるんです。自分が本当に必要なもの、本当にしたいこと、充実した日常生活を求めることがよくわかるようになりました。シンプルで質素なライフスタイルに変わってきたこともあり、何も不便は感じず、むしろ幸せを感じます。

自然環境も素晴らしいです。高い建物がほとんどなくて空が広く、家の窓から山が見え、山からは穏やかな海が望める。小鳥は庭に来てくれてさえずってくれますし、新鮮で安全な食材の豊富さも信じられないほどです。
私はテニスを始め色々とスポーツも嗜みますが、施設の使用料の安さと家からの近さにも驚きました。東京でときどき利用していたインドアテニスコートは1時間16,000円でしたが、新居浜ではほぼ同じ設備で2000円なんですよ!
ゴルフ場も近くて早朝に起きなくてもどこでも30分ほどで行けてしまいますので、都会から遊びに来た友人たちは皆さん羨ましいようです。

私たち夫婦はお互いに東京、しかも都心での暮らしが長く、周囲の友人たちは皆「長い東京暮らしのふたりが四国に行って、一体どんな生活をしているんだろう?」と興味を持って、移住後は大勢遊びに来てくれました。この5年間で、延べ200人は家に泊まりに来ましたね。今夜もサンフランシスコから友人の7回目の来訪があります。。
移住したことで友人関係も良い意味で本当に親しい関係に発展していると思います。二カ月に一度上京しても変わりなく友人が会いに来てくれます。

Q.地元に溶け込むコツは?

心がけていたのは、ご近所での挨拶をよくすること。顔を見て、覚えて、だんだんと親しくなって。東京では治安上、地域の子どもや知らない人に挨拶したり顔を見たりということは無かったですから、真逆ですね。
あとは私の場合、妻の地元だったので、移住する前から新居浜のテニス、ゴルフ大会に出場して友達を作ったり(笑)。私はスポーツ、音楽などの趣味が多いので、そういうコミュニティに積極的に入ることで友人はすぐにできました。そんな中で自然と地元との繋がりが徐々にでき、交友関係が広がりましたね。

Q.移住のメリット・デメリットは?

メリットは想像力が広がることです。都会にはとにかく大量の情報やモノ、コトの選択肢や人からのお誘いなど流されやすい状況が多々ありますが、新居浜では、自分が何をしたいのか考えていく余裕があり、すごくイマジネーションが必要な環境です。
また人間関係が密で、季節のものが食べられる生活は、自分が「人として生きる」とはどういうことかを再認識できると思います。東京には季節に関係なく、国内外のあらゆる場所の食べ物が集まりますよね。でも新居浜では「今、とれたものが食べられる」が食生活の中心。すなわち農耕民族である日本人の、本来的な暮らしをしていると感じます。
デメリットは……、思いつきませんね(笑)。

Q.お気に入りの場所や風景はありますか?

荷内(にない)町の海岸から見る瀬戸内海と大島、そこに沈む夕日が本当に美しいです。またそこの海沿いに「みんなのコーヒー」というお気に入りのカフェがあって、週に1度は夫婦で訪れています。

Q.移住を検討している方へメッセージを

ここは子供が育てやすいところであり、人との関係が連綿と続く心地よいところだと思います。
そこで、自分と家族の幸福な未来をイメージしたときに、それは都会なのか、それ以外なのか、よく考えてみてください。もし、ぼんやりとでも都会でないなら、移住はぜひ選択肢に入れてほしいと思います。
それから私たちは移住に際して、行政のサポート等を全く調べなかったのですが、後になって、申請していれば受け取れた補助金があったことを知りました。今、移住者への配慮はいっそう手厚くなってきているはずですから、事前に十分な行政の情報収集をお勧めします。

お気に入りポイント

赤石山

赤石山
山根や河川敷のテニスコートから見る西東赤石山。冠雪した冬の姿も好きです。

新居浜市の景色

新居浜市の景色
えんとつ山の山道を進み、突き当りを左折して進むと「大山積神社奥の院社」があります。その境内裏から一望できる新居浜市の景色が素晴らしく、天気が良いと四阪島、大三島、因島、尾道のほうまで見えます。

新居浜市移住担当者からひと言

清水さんは神戸出身の東京育ち、さらに俳優業をされていたという典型的な都会人。その清水さんが縁あって新居浜に移り住み、生活する中で、新居浜にある「都会とは違う豊かさ」を実感していただき、こうした形で多くの方に発信していただけることを大変有難く感じています。清水さんのへのインタビューを通じ、新居浜の「空の広さ」や「自然の近さ」がとても貴重で、魅力的なものであることを再認識させていただきました。

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