新居浜暮らしブログ
2019.07.04
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石村嘉成展~生き物たちも一生懸命~に行ってきました!
広瀬 香織
新居浜市が誇る芸術家である石村嘉成さんの個展~生き物たちも一生懸命~に行って参りました。場所は、あかがねミュージアム2階の新居浜市美術館展示室1で開かれています。行ってみると、驚いたことに入場無料!しかも写真撮影もOKとのことでした!「多くの人に作品を見てもらい希望を与えたい!」、「生きる力を感じてほしい。」と願う彼とお父様の温かい思いが感じられました。石村嘉成さんは1994年新居浜市出身。2歳児検診の時に自閉症による発達障害であると判明。そのため新居浜市船木にあるトモニ療育センター(所長は小児科医であり、ご自身の御令息も自閉症である河島淳子氏。河島氏の丁寧で行き届いた療育により、子どもたちはそれぞれ障がいを持ちつつも、才能が開花してゆくのです。また河島氏の指導により、両親が子どもたちにとって優れた療育者として成長してゆく場所でもあります。このような河島淳子氏の画期的な療育方法は定評があり、全国にトモニの輪は広がっています。)に通所し、知識ある愛のもと、計算や、読み書き、生活全般の訓練を通して、学力も伸び、才能が開花して行ったのではないかと思います。因みに、トモニ療育センターには、私自身も新居浜教会に着任して、困難を抱える子どもたちに向き合うために、数年間、トモニの療育方法ついて学んだ場所でもあります。このように石村さんは幼少期からの丁寧な療育が実を結び、素晴らしい作品の数々と生み出されていったのではないかと思います。今回の個展はまさに圧巻!です。感動すると共に、改めて教育の大切さを感じる時ともなりました。
石村さんは高校の選択授業で版画と出会い、本格的な創作活動を始め、2013年に第2回エコールドパリ浮世・絵展 ドローイングコンクールにて、見事入選を果たし、審査の結果、優秀賞を受賞。その他、様々な素晴らしい賞を次々と受賞しておられます。このように作品は世界的にも認められており、多くの企業も彼の作品を採用しています。彼が描いたイノシシの新年の挨拶の企業ポスターを街中で見かけた人も少なくないと思います。
さらに現在は絵画にも取り組むなど創作域を拡げており、彼の才能と情熱には驚くばかりです。また各地で講演も行なっています。ご存知のように自閉症の方は、人前でお話することが非常に困難な方が多いです。(もちろん健常者の方も大勢の前では緊張しますが、自閉症の方が大勢の方の前で講演をする困難さは、きっと私たちの想像をはるかに越えていると思います。)、石村さんも多くの人を前にして、緊張は隠せず、時にパニックになってしまうこともあるようです。しかし「一人でも多くの人に生きる力を届けたい。」と言う強い思いが、彼とお父様を講壇に向かわせているのではないかと思います。石村さん親子の二人三脚の様子は展示室の出口に設置されているテレビで観ることができます。ドキュメンタリー番組になっており、とても興味深く、感動しました。
今回は「新居浜市の郷土作家シリーズⅡ」という事で、新居浜市に因んだ作品も多く、彼の郷土愛を強く感じました。例えば「小女郎狸の家族」!小女郎狸のことは最近知ったのですが、小女郎狸の家族にまで彼は思いを馳せて作品にしていました。それはまさに彼の家族愛でもあると思った。また滝の宮公園の「マガモ」や広瀬公園の「コブハクチョウ」など新居浜市の様々の動物の作品も興味深かった。しかし動物だけでなく、季節の花々や人物も作品になっており、作品は幅広いです。独特の構図と鮮やかな色合いが特長的だと思いました。彼の描く生き物たちは、強い生命力を周囲に放っています。また、どの作品も彼のお人柄を感じる温かなものばかりです。
感心しながら、作品を見て進んでゆくと、何と展示会場の中央には版画の作業台があり、そこには石村嘉成さんとお父様がいらっしゃいました!お二人は、来場者に作品のご説明や、ご挨拶をしておられました。お二人のとても誠実なお人柄を感じました。石村嘉成さんにとって「作品は僕のことば」との事。作品から石村嘉成さんのイキイキした”ことば”を強く感じることが出来ると思います。
石村嘉成展は2019年6月29日(土)〜8月18日(日)までです。最後にもう一度繰り返しますが、入場無料!写真撮影OKです。このような機会はめったにないと思いますので、是非お見逃しなく!私もこの期間、時間があれば何度でも足を運びたいと思っています。またあかがねミュージアム一階には彼の作品が絵ハガキやハンカチ、バックとなって販売されています。彼のグッズを身につけることで、大きなエネルギーを頂けるような気がして、何点かお土産を買い求めて帰りました。とても幸せな気持ちになる個展でした!